名劇SSブログ

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ふしぎな妖精パルメ -魔法のレシピ- 5





ご訪問、そして拍手ありがとうございます!今回もやってまいりましたパルメちゃんの時間!

それではどうぞ!






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  ふしぎな妖精パルメ -魔法のレシピ-


※この物語は、「愛の若草物語」と「幸せパスタストーリー」の二次創作です。オリジナル要素が満載ですので、お気軽にお楽しみください。






  第五話 ハンナのバタークッキー



 その日の昼下がり、外は雪がちらつき、さすがのエイミーも家の中で過ごしていました。ベスはいつも通りピアノを楽しみ、ミルキー・アンもそのピアノの音色を聴きながら、お昼寝を楽しんでいました。そんなとき、メグは台所でおやつの用意をしていたのです。
 メグはパルメと一緒に台所に居ました。ハンナのレシピ帳に書いてあるクッキーの作り方を読みながら、一生懸命にクッキーを作るメグ。パルメもそれを嬉しそうに眺めていました。
「えっと…これであとは、オーブンで焼くだけね」
 メグはオーブンに火を入れると、温まるまで待ち、充分に温まったところでクッキーの生地をオーブンの中へと入れました。
「ふう…これでよしっと。さあパルメ、焼き上がるまで時間があるから、後片付けを済ませてしまいましょう」
「は~い! うっふふっ♪ 楽しみだな~、メグのクッキー♪」
 パルメは笑顔で、その後片付けのお手伝いをしました。そして、クッキーが焼き上がる頃、紅茶の準備も整い、台所に妹達が集まってきました。
 台所のテーブルに着いたエイミーは、「いい香り♪」と頬を緩ませると、そのクッキーを頬張ります。
「いただきまーす! あむっ…もぐもぐ……んん?」
「どう? エイミー?」と、メグは少し心配そうな表情をエイミーに向けました。
「う~ん……美味しくない…」
「ええっ⁉ そんなはずはないわ? ちゃんとこの…ハンナのレシピ帳を見て作ったもの…。ちゃんと出来ているはずよ?」
 メグは首を傾げながら、そのクッキーを食べてみました。すると、メグの表情は暗く沈み、「硬い…それにパサパサだわ…。これじゃあ…お店で買ってきた方が美味しいわね…」と、呟きました。
 ベスはそれを見て、「でも…食べられないわけじゃないから」と、笑顔でそのクッキーを頬張ります。
「ありがとうベス…。エイミーもパルメも、今日はこれで勘弁してね?」
「私は別に構わないけど…、ねえパルメ?」とエイミー。
「うんっ。一生懸命に作ってくれたんだもの、美味しく頂くわ?」と、パルメもそのクッキーを美味しそうに頬張りました。
 メグはそんなパルメに少し微笑むと、またひとつ、クッキーを頬張りました。
 おやつの時間も終わり、エイミーはベスと一緒に部屋で過ごしていました。パルメは居間の暖炉の前で、ミルキー・アンと一緒にお昼寝をしています。一方のメグは、その居間で暖炉の火に当たりながら、ハンナのレシピ帳とにらめっこしていました。
「いったいどうして…、何が違うのかしら…」
 メグはそのレシピ帳を読みながら、大きくため息をついてしまいます。パルメはそんなメグを気にして、「どうしたの?」と問いかけます。
「ええ…、どうしても上手にできないのね…って思って…。やっぱりハンナにはかなわないのかしら…」
「そんなこと…」
「でも…、お母様も言っていらしたけど、ハンナの作るお料理は本当に美味しいって…、時々教えてもらってるって…、そう仰っていたから…。私ではどうしても…」
「う~ん…じゃあさ、直接教えてもらうっていうのはどう?」
「ええっ? 直接って…、今は旅行中よ? 魔法で行くにしたって失礼よ…楽しんでいるところを押しかけるなんて…」
「うっふふっ♪ 旅行中じゃなければいいのよね? それじゃあメグ、目を閉じて? いっくわよ♪」
「え…ちょっとパルメ…!」
「それっ、パルメ・パラリン・パラパラリ~ン♪」
 パルメが呪文を唱えると、メグの体が光に包まれ、パッと消えてしまいました。さあ、パルメはメグをどこに連れて行ったのでしょうか?

 メグはそこに、ふわりと下り立つと、ゆっくりと目を開けてみました。するとメグは、「まあっ」と、思わず驚きの声を上げてしまいます。なんとそこは、自宅の庭だったのでした。
 芝生はまだ青々としており、冬服を着ているメグは、「ちょっと暑いわねえ…」と、手で顔を仰ぎました。
「ホント、これじゃあ暑いわね。それっ」と、パルメは魔法で、メグの服を夏服に変えてあげました。
「ありがとうパルメ」
「えへへ~。それじゃあ、入りましょうか?」
「え…ええ…」
 メグは玄関の前に立つと、その扉をじっと見てしまいます。
「どうしたの? 入らないの?」
「ええっ? いや…あぁ…ええと…、入って大丈夫なのかしら…?」
「うん? 大丈夫でしょう? だって自分の家じゃない…」
「それはそうだけど…」
 メグとパルメがそんなやり取りをしていると、玄関のドアがガチャリと開きました。
「誰だね騒々しい…」と、ハンナが顔を出したのです。
「あ…ハンナ…」と、目を丸くするメグ。それはハンナも一緒でした。ハンナはメグの姿に目を丸くすると、「あれ…メグさんじゃないかい?」と、驚きました。
「あ…どうも、ハンナ…」
「あぁ…どうも…えっと…、出かけたはずでは…」
「ああ…えっと…その…」と、メグが困っていると、パルメがひょっこりと顔を出しました。
「どうもハンナ♪ パルメちゃんよっ♪」
「あれまあ…パルメじゃないか。今日はケーキもクッキーもないよ?」
「ええええっ⁉ じゃあ…帰る…」
 パルメがとぼとぼと浮遊していくと、メグはそれを「どこに帰るのよっ」と呼び止め、ハンナに事情を話しました。
「…と…いうわけなの…、ハンナ…」
「なるほど、分かりました。そういうことならお教えいたしましょう」
「よかった…、ありがとうハンナ」
「いえいえ。それじゃあ、お台所に行きましょうか」
 ハンナはメグを連れて、台所へと向かいます。そして、材料を用意すると、ハンナはメグに、「それでは、始めましょうかね?」と、微笑みました。
「ではメグさん、一緒に作っていきましょう」
「はい」
 ハンナはまず、バターをボウルに移し、それをよく混ぜていきます。
「バターが溶けないように注意してください?」
「ええ…。そっか…私がやったとき…少し溶けてたわね…」
「柔らかくなりましたら、ここに黒砂糖と、普通のお砂糖をを入れていきます。入れたらよ~く混ぜて下さい? そして、塩をひとつまみ入れて、また混ぜていきます」
 ハンナは慣れた手つきで作業を進めていきました。メグはそれを見ながら、一所懸命にメモを取っていきます。








「そして次に…メグさん、卵を黄身と白身に分けて下さい」
「はい、分かったわ」
 メグは卵を割ると、その殻を使って黄身と白身を分けました。
「待った」
「え?」
 その様子を見ていたハンナが、メグを呼び止めました。
「どうしたのハンナ?」
「黄身と白身は、手で分けて下さい。黄身が壊れて、白身と混ざったら台無しですからね」
「まぁ…そうなの? 黄身が壊れても気にせず…そのまま作ってしまってたわ…」
 メグは卵を割り、小皿に開けてから手の上に乗せ、黄身と白身を分けていきます。
「じゃあその黄身を、この中へ…」
「はい」
 ボウルの中に黄身が投入されると、ハンナはそれをかき混ぜていきました。
「よ~く混ざったら、ベーキングパウダーと小麦粉を混ぜたものを、この中に入れて、かたまりになるまで木べらで混ぜていきます。混ざったら…これを伸ばして、型でくり抜いて…、涼しい場所で寝かせておきます」
「涼しい場所…?」
 ハンナはキョトンとするメグに微笑むと、火が付いていない真っ暗なオーブンの中へ、その生地を入れました。
「まあ…オーブンの中に?」
「はい。今は夏ですから、この中の方が涼しいんですよ」
「へえ~…そうなのねえ…。そっかぁ…私…、生地を寝かせてなかったわね…」
「それじゃあ、まだ少し時間がありますから、後片付けのついでに、余った白身でメレンゲを作りましょう」
「それじゃあ、私がメレンゲを作るので、ハンナは後片付けの方をお願い」
「ええ…いいですけど…、大変ですよ?」
「大丈夫、まかせて?」
 メグは腕まくりをすると、一生懸命に白身を泡立て、メレンゲを作りました。
「ふう…疲れたわ…」
「ごくろうさまです。それじゃあ、そのメレンゲをアイシングとして使うので、こちらの絞り袋へ入れて下さい」
「はい」
 その間に、ハンナはオーブンを開けると、生地の具合を見て頷きます。
「うん、それじゃあ焼いてきましょう。パルメ? お願いできるかい?」
「ええ、まっかせて! それっ」
 パルメがステッキを振ると、オーブンに火が入り、あっという間にちょうど良い火加減になりました。そのオーブンの中に生地を入れ、クッキーを焼いていきます。そして、そのクッキーが焼き上がり、暫く冷まして、先程作ったアイシングで飾り付けをしていきました。
「さあ、メグさん、これで完成です」
「まあっ、美味しそうね~。それじゃあ、ひとついいかしら?」
「ええどうぞ?」
 メグはそのクッキーをひとつ、味見をしてみました。すると、メグは頬を押さえ、「やっぱり美味しいわねえ、ハンナのクッキーは」と微笑みます。パルメも味見をし、「ホント! すご~くおいしい!」と微笑みました。ハンナもそんな二人を見て、頬を緩めました。
「それじゃあハンナ、今日は本当にありがとう、おかげで助かったわ?」
 玄関まで見送ってくれたハンナに、メグは笑顔でお礼を言いました。
「いえいえ、私でよろしければ、いつでもどうぞ?」
「うっふふっ、ええ、そうさせてもらうわ? それじゃあパルメ、行きましょうか」
「うんっ。それじゃあハンナ、また遊びに来るわね~?」
「はいはい、今度はケーキを用意して待ってますよ」
 ハンナは光に包まれていくメグとパルメを、笑顔で見送りました。

 メグは帰ってくると、早速クッキーを作っていきます。自分で書いたメモと、ハンナのレシピ帳を交互に見ながら、一生懸命に作るメグ。
「あとは…生地を寝かせるだけ…と」
 メグは、火が入っていないオーブンの中へその生地を入れると、パルメに手伝ってもらいながらメレンゲを作り、紅茶の用意をします。そして、「もうそろそろだわね」と、パルメにお願いし、オーブンに火を入れてもらいます。
 ちょうど良い温度になったオーブンへ生地を入れると、焼き上がるまでに後片付けを済ませてしまいました。
 クッキーも焼き上がり、アイシングで飾り付けをした後、それをテーブルへと運びます。しかし、メグはふと、窓の外を見ると、あることに気が付きました。
「あら? もう…陽が沈んでるわね…」
 そう、辺りはもう夕暮れになり、空はオレンジ色に染まっていたのです。そんなとき、エイミーが階段を駆け下りてきて、「今日のお夕食はなあに?」とメグに問いかけました。
「あぁ…ええっと…、その…」
「まさかメグ…、お夕食の支度を忘れたの?」
「ええ…そのまさかよ…」
「ええ~! そんなあ…」
 しょんぼりとするエイミーに、パルメはニッコリと微笑むと、「大丈夫、クッキーちゃんがあるわよ?」と言いました。
「クッキーはお菓子で、夕ご飯じゃないわ?」とエイミー。
 メグは大急ぎでチキンストックを温めると、そのストックに味付けをして、簡単なスープを作りました。そのスープと、買い置きしていたパンとで夕食を済ませるメグ達。しかし、食後にはとっても美味しいクッキーが待っていました。エイミーもパルメも、そのクッキーを美味しそうに頬張っています。
「んふふふふ~♪ 美味しいクッキーはパルメちゃんに幸せを運ぶ♪ ねえメグ? また作ってね?」
「ええ、いいわよ?」
「うふふ~、やったー♪」
 メグは皆の笑顔にホッと、胸をなでおろしたのでした。さて、次はどんなお料理を作るのでしょうか? 次回へと続きます。








 その日はとても寒く、昼間からしんしんと雪が降り続き、ついには吹雪になってしまいました。そこでメグは、夕食は何か温かいものをとパルメに相談します。パルメはシチューが食べたいと話し、メグもそれを作ろうとしますが、なんと、牛乳が切れていたのです。こんな吹雪に牛乳は買いに行けません。そこでパルメは、あることを思い付いたのです。

 次回、「チーズたっぷりのクリームシチュー」

 次回もパルメちゃんと一緒に、パルメ・パラリン・パラパラリ~ン♪

 ふしぎな妖精パルメ

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