名劇SSブログ

世界名作劇場の二次創作SS(ショートストーリー)ブログです。※画像等の二次利用・無断転載はお断りしております。現在は「けものフレンズ」が中心となってしまいました。名劇関連は休憩中です(小説に出来そうなネタが無いです……スイマセン……)

美沙子のメシ:7




ご訪問、そして拍手ありがとうございます。今回は焼肉ですよ焼肉。まあ……お話しですけどね……しかも本番は次回なので、今回は前編です。でもイイですよね~焼肉。お家でやると色々と自由に出来て、邪魔されることも無くて、お会計も気にすることも無くて、色んな意味で美味しいですよね。

それではどうぞ!






  七杯目 おうちで焼き肉・前編


「さてと……こんなもんかな?」
 イラストを描き上げて、アップロードをぽちっと……これでよし。う~……んっと伸びをして、さて、寝ますか。
 まゆちゃんは……っと、確か途中で「もう寝る~」と言って、歯を磨きに行ったんだっけ。起きたらサイトにアップしたことを教えておきますか。
 歯を磨いて、寝る準備。あの子……そういえば戻ってきてないわねえ、どこで寝てんのかしら? まさかと思いリビングに顔を出したら……やっぱり、こんなところで寝てる。まゆちゃんはソファーでクッションを抱きしめながら眠っていた。イラストを描く私の邪魔をしたくなかったのか、それとも眠気に耐えられなかったのか。どっちにしたって、こんなところで寝たら風邪を引いてしまうわ?
 よ~く眠ってるまゆちゃんを「よっこいせ」と抱きかかえると、私のベッドへと寝かせた。
「まだ布団敷いてなかったか……。イラストが終わったらって思ってたけど、案外長引いちゃったからねえ……」
 私はまゆちゃんの寝顔に微笑むと、歯を磨き、ベッドの隣に布団を敷いて横になった。
 しかし、最近よく来るわねこの子。何かあるのかしら……。まあ取り敢えず、寝よう。
 次の日の朝、たっぷりと朝寝坊を楽しんだ私は、ゆっくりと布団から抜け出した。
「まゆちゃんは……もう起きてるのか」
 ぼさぼさの髪を整えようと洗面台へと向かう。その途中でリビングに顔を出し、ソファーでテレビを観ているまゆちゃんに「おはよう」と声をかけた。
「おはようお姉ちゃん。なにか食べる?」
「う~ん……あれ? いま何時?」
 テレビで流れてるのって……お昼ぐらいにやってる番組じゃない?
「えっとねえ……もうすぐ一時だよ?」
 一時! もうとっくにお昼過ぎてたのね……寝坊しすぎた……。
「ごめんまゆちゃん。朝ごはんとか……食べてないよね?」
「ううん、冷蔵庫にパンがあったから、それを食べた。それより髪を早く直してきなよ~」
「うん……」
 私はぼさぼさだった髪を整えて、着替えを済ませるとリビングへともう一度向かった。そして、ソファーでゲームをしているまゆちゃんに「起こしてくれても良かったのに」と話した。
「起こすなんてそんな~。日頃の仕事で疲れてるだろうし、ぐっすりと寝てたからね~、起こす気になれなかったよ」
「そうなの? でも……遠慮なく起こしても良かったのに。お昼まだよね? お詫びと言ってはなんだけど、何か食べに行かない?」
「行く行く~! もうお腹ペコペコだったんだ~。どこに食べに行くの?」
「近くにアポタあるから、そこのフードコートで食べようと思ってるんだけど……」
「アポタか~」
 アポタとは、アオングループの大型ショッピングセンターで、私の家からは徒歩でも行ける距離にあった。しかし、私のお腹はもう限界だ……。仕方ない、クルマで行くか。
「クルマ出すからさ、行こうよ」
「うんっ」
 そんなわけで、駐車所へと行きクルマに乗り込む。もう二十年以上も前のフランス車なのだが、小さいハッチバックだけどキビキビ走るので、私はこのクルマが好きだ。
「うわ~……古そうなクルマ」と、私のクルマを見て呆然とするまゆちゃん。しかし、私の「フランスの、ラノーっていう会社のクルマなの」という言葉を聞いて、「オシャレなんだね~」という言葉が飛び出してきた。
 古いクルマでも、フランスやイタリアという言葉を聞けば、たちまちオシャレになるものである。
 今どきでは珍しい、マニュアルの五速トランスミッションのギアを操作しながら、アポタまでクルマを走らせる。そして駐車場までやって来ると、まゆちゃんと一緒になって場所が空いてないか探しまくった。やっぱり……土曜日だからねえ……、この辺にはどこにも行くとこないし、みんな来るわよねえ。
「あ……お姉ちゃん! 場所あったよ!」
「よっしゃ」
 私はその場所に向かってクルマを滑り込ませた。そして、クルマを降りてアポタの中へ。
 アポタの中に入ると半袖でも充分なぐらいに暑く、私とまゆちゃんは、駐車場に戻って上着をクルマの中へと放り込み、店内へと戻る。
「さて……何を食べようか」と悩みながら、店内を歩いていると、掲示してあったチラシが目に入った。
「お肉大安売り……輸入肉もあります」
 なんですと? 輸入肉とな? ほほう……いったいどんなお肉なのか、これは見て確かめないと。
 私はそのチラシの食品売り場へと向かおうとした……ところで、「どこ行くのよ」と、まゆちゃんが私の腕を引っ張る。
「フードコートは二階でしょう?」
「あ~……そうだった」
 忘れてた……お昼を食べに来たんだっけ。思い出したら急激にお腹が空いてきましたよ。お肉は帰るときに見ていこう。まずは……お昼ご飯ね。
 二階のフードコートに上がると、二人でどのお店にしようか見て回った。ラーメン屋さんに……うどん屋さん。う~ん……パスタ屋さんも捨てがたい。カレーにハンバーガー……。どんぶり……丼ものか。やはり、私のお腹に白いごはんは必要よね。
「ねえまゆちゃん、あそこの丼ものにしない?」
「え~、昨日カツ丼食べたじゃん。それより私、ハンバーガーがいい。あのハンバーガー屋さん見たことないから、食べてみたい」
「そうねえ」
 ハンバーガーなんてどれも同じだと思うけど、「そうしましょうか」と返事をする。
「わーい。えへへ~」
 大喜びをするまゆちゃんと一緒に、「セカンドキッチン」という名前のハンバーガー屋さんへと向かった。
「へえ……パスタもあるのね」と、私はそのミートスパを注文。まゆちゃんはシンプルにチーズバーガーのセットを注文した。
「もっと変わったの注文すればよかったのに」
「ふふふ~ん、分かってないな~お姉ちゃんは。こういう初めてのお店に入るときは、変わったものよりシンプルなメニューの方が、その店の味が分かりやすくていいのよ」
「へ~……そんなもんかな」
 私もまだまだ修行が足らないようね……反省。
 ともあれ、注文したものが届き、「いただきまーす」と食べ始める。
 さて、このミートスパですが、どこにでもあるような感じね。あむっ。う~ん……麺は茹で過ぎた感があって、ふにゃふにゃ。麺は塩を入れて茹でていないのか、何の味もしなかった。でもその分、ソースがしょっぱい。普通に作るんだったら味付けは逆なんだけど、これはこれでフードコートのご飯という感じがして逆に良い。やはり、こういうところのご飯はこうじゃないと。でも……あれ? 何か足りないような……。あぁ、粉チーズを忘れてた。これがあるのと無いのとでは大違い。これを盛大にふりかけて。パクり。もぐもぐ。うん、コレよコレ。こうじゃないと始まらないわね。気分はまさにイタリアン……って、粉チーズの筒には米国産って書いてある。なるほど、フードコートのパスタはアメリカンでしたか。
 まゆちゃんも美味しそうに食べてるわね。良かった。そのおいしい笑顔に、私はホッとするのよ。
 さて、食事も終わったことですし、お肉を見に行きましょうかね。
 

 まゆちゃんと一緒に食品売り場へと向かい、そのチラシに書いてあったお肉を探して~って、もう見つかった。盛大にやってるのねえ。
 目の前の売り場にお肉のパックがズラリと並んでいる。ほうほう、輸入肉はオーストラリアとアメリカの牛肉ですか。私はどちらかというと、日本のよりこっちの方が好きだ。いかにもお肉を食べてるって感じがする。
 あれは……ラム肉か、初めて見るわね。えっと……肩ロースにモモ肉……。名前はなんか普通ね。でも…興味あるわね。
「ねえお姉ちゃん、霜降りの和牛ってやつが安いよ? これ買ってよ」
 霜降りの和牛ねえ……。焼き肉用ではないけど、安いし……まゆちゃんも明日には帰っちゃうからな~、好きなものを食べさせてあげたいわね。
「ええいいわよ。じゃあこれは、まゆちゃんのお肉ってことで」と、私はそのパックを二つ、カゴに入れようとした。ところが、まゆちゃんは私の腕を「待って」と掴んだ。
「ちょっと待って……、私の……お肉」
 何やら何か悩んでいる様子……いったいどうしたんだろ。
「やっぱいい……」
「ええ?」
「いらない。あっちの輸入のでいい」
「そ……そう? 脂がのってて美味しそうなのに。遠慮しなくてもいいのよ?」
「いいの。脂はちょっと……」
 あぁ……そういうことね。乙女心は複雑だわね。
 そんなわけで、アメリカ産とオーストラリア産の牛肉と、愛知県産の鶏肉。北海道産の豚肉とラム肉をカゴに入れて、あとは野菜ね。
「あ……しまった」
「どうしたのお姉ちゃん?」
「お昼ご飯を食べることしか考えてなかったわ……」
「え……どういうこと?」
「ちょっとATM行ってくる。カゴお願い」
「ちょ……お姉ちゃん⁉」
 しまったしまった……大失態。お昼を食べに来るつもりでいたから、財布にお金を入れてくるのを忘れてたわ。危ない危ない。さすがはお肉の魔力……すっかりと惹きつけられてしまったわね。
 ATMに来ると、早速お金を引き出す。手数料を取られるのか……まあ、背に腹は代えられない。そういえば、冬のボーナスに全く手を付けていなかったわね……。欲しいものが無いというのは、満たされて幸せなのか……満たされぬ不幸なのか……。
「そんなことよりお肉よね」
 お金を引き出して、まゆちゃんのところへ「おまたせ~」と戻る。
「ごめんね~待たせちゃって」
「ううん、はいカゴ。野菜も必要だろうと思って、適当に入れといた」
「ありがとうまゆちゃん」
 うんうん、こういう気配りができる子、大好き。
「お菓子とかは必要ない気もするけど?」
「いいじゃない別に。お夜食にでもしなよ~」
「お夜食でお菓子は……食べるか」
 ほかに必要なものは~っと……。そういえば焼き肉のたれ……冷蔵庫に無かったわね。
「あとは焼き肉のたれと、お豆腐を買って帰りましょう」
「お豆腐?」
「そう、お豆腐」
 レジで会計を済ませ、家へと戻る。さて、今夜は焼き肉だ。少し運動して、お腹を空かせておきましょう。
 お豆腐を何枚かのキッチンペーパーでくるんで、それを金属製のバットに置いて~っと。帰ってくるまでには下ごしらえは終わってるでしょう。さて、緑地公園でお散歩してきましょうか。
 カメラを持って、出かける準備を済ませると、まゆちゃんと一緒にクルマで緑地公園へと向かう。
 その車内で、まゆちゃんに「まゆちゃんはお父さんと出かけることってないの?」と問いかけてみた。
「う~ん……離婚する前、三人で出かけたことはあったけど、今はもうあんまり……」
「そっか……ごめん」
「いいよ……もう気にしてない。お母さんも……色々と疲れちゃってたんだと思うし、今はそれがよく分かるの。あ~あ……早く一人暮らしがしたい……」
「一人暮らしって……お父さん許してくれる?」
「たぶんね……。高校に入ったら寮に入るって言っておいたから」
「そう……」
 やっぱり……色々と複雑なのね……。
 緑地公園に着いて、色々なところを散歩した。遊具でも少し遊んで、その様子をカメラに撮る。気になっていたディノアドベンチャーの中にも入ってみた。お金取るのか……しかも結構いいお値段。冬のボーナスが懐に入ったままだったのを思い出し、急に強気になる自分が居る。
 お金を払い、いざ出発。気軽に楽しめるだろうと思いきや、センサーで動いたり吠えたりする恐竜にキャーキャー言う私達。そんな中でも写真は忘れずに撮っておく……。う~ん……想像の斜め上をいってましたか、てっきり子供向けの迷路なのかと思ってた。しかしというか、やはりというか、子供連れが多く、泣き叫ぶお子様も居て……いやはや大変ですな。
 そんなこんなで陽が暮れてきた。おうちではお肉が待っていると思うと、急にお腹が減ってきた。
「じゃあまゆちゃん、帰りましょうか?」
「うん! あ……お土産は買わないの?」
「お土産ねえ……」
 そのお土産売り場の中を二人でざっと見たけども、恐竜のフィギュアとか……そいうおもちゃぐらいしかなく、お菓子はその辺で買えるものしかなかった……残念。
 駐車場に戻り、クルマに乗って家へと帰る。おうちでお肉が待ってるわよ~。今日のメインイベントは、すぐそこまでやって来ていた。






 次回、「美沙子のメシ」は、「お家で焼き肉・後編」です。お楽しみに。

 美沙子のメシ

0 Comments

Leave a comment