名劇SSブログ

世界名作劇場の二次創作SS(ショートストーリー)ブログです。※画像等の二次利用・無断転載はお断りしております。現在は「けものフレンズ」が中心となってしまいました。名劇関連は休憩中です(小説に出来そうなネタが無いです……スイマセン……)

美沙子のメシ:10





この回から今週の分です。これも恐らく忘れてしまうと思うのでもう上げてしまいます。ご了承下さい。






  十杯目 風邪引きの午後 松茸の雑炊を添えて


「あ~……だるい」
 ベッドの中でそう言うも、助けてくれる人は居ないわけで……。しかし、こんな春先に風邪を引くなんてついてないわね……。
 何時だろ……と、目覚まし時計を確認する。もう九時過ぎてるのか。ヤバい……会社に電話しないと。
「……はい、すいません連絡が遅れてしまって。ええ……そんなわけですので、申し訳ないですが……はい」
 携帯電話で会社に休むという連絡を入れ、ベッドにぐでんと横になる。しかしどうしたものか……。起きれないわけではないのだが、買い物に出るのはつらい。しかも今日は雨……。なにか台所にあったかな……。
 ふらふらとした足取りで台所へと向かい、棚を漁る。う~ん……目ぼしいものはないなぁ。いや……これは、松茸のお吸い物の素だ。いつのだろう……。う~ん……賞味期限が過ぎてる……けど、背に腹は代えられぬ。これを使って、なにか考えるしかなさそうね。冷蔵庫には……あっちゃ~、卵がもう一個しかない。買いに行かないと。でも雨だし……やめとこう。一個でもなんとかなる。
 あとは……どうしようかな。駄目だ……何も思い付かない。ベッドに戻ろう……。
 ベッドに横になり、うつらうつらと眠りに身を任せる。こういうとき、風邪薬って良いわよね……ぐっすりと眠れるんだから……。

 次に目を覚ますと、お昼の二時をとっくに回っていた。あぁ……もうこんな時間なのね。食欲がない……いや、ちょっとだけある。お雑炊作るか……。
 炊飯器に残ったご飯を鍋に入れて、お水も入れて火にかける。さっき見つけたお吸い物の素を鍋に入れて、卵を溶き、鍋が煮えるのを待つ……と。
「松茸のお吸い物か……」と、そのお吸い物の素の袋を眺め、そう呟く。
 鍋がぐらぐらと煮立ってきた……。それじゃあここに溶き卵を入れて、混ぜる。
 ちょっと味が薄いかもしれないけど……まあいいかな? それじゃあこれを……ベッドに運ぶのも面倒だし、ここでいいか。
 台所のテーブルで松茸のお雑炊……こういうのも悪くないわね。味はまあまあ……な感じ……。卵が良い感じに雑炊を纏めてくれてる……やはり卵は万能選手だ。特に風邪を引ているときの卵は格別にありがたい。
 雑炊を食べ終え、鍋を流し台に放り込むと、ベッドに横になる。簡単な入力作業は手伝えるからメールで送ってと……河合さんに言っておいたものの、頑張ってくれるということみたいなので……任せちゃってもいいか。
 それじゃあ……安心して眠ろうかな。いや、お腹が温まったら目が冴えてきた。ちょっとだけ元気も出てきたわね……食べ物ってすごい。
「じゃあ……どうしよっか。まあでも、何かをやるような元気もなく……」
 ベッドにタブレットを持ち込んで、ピクぞうを眺める。
 こういうときノートパソコンが欲しいわね。でも……使うと言えば、イラストをアップしたり……ブログにお邪魔して記事や小説を読んだり、二次創作のマンガ読んだりするぐらいだから……買うには高すぎるのよね。
 仕事で使う分には良いかもしれないけど、それしか考えてないものが多すぎなのよ。
「だからタブレットなんでしょうけども……」
 最初からキーボードとマウス……付けてくれればいいのにと、思ってしまう。
「融通が利かないのは嫌いよ」とか色々と思いながら、ピクぞうを眺めて、可愛いイラストや格好良いイラストを眺めてほっこりする。
 そんなとき、携帯電話が机の上で震えていたのが聞こえ、ベッドから抜け出して携帯電話を取りに行く。なんでベッドのところに置かなかったのかと少々自分を恨んだが、まあ……仕方ない。
 その携帯電話を見ると、メールがいくつか入っていた。しかも全て河合さんからのメールだった。電話の着信もある……。何かあったのかなと思い、河合さんに電話をしてみた。
「もしもしぃ~」と、電話の向こうで河合さんの可愛らしい声が聞こえた。なるほど……電話をかけた相手、特に男性はこの声に弱いかもしれない。
「もしもし、私だけど……」
「せんぱ~い! 心配して何度もメール送ったんですけど……電話もしたんですけど……、迷惑かなって思って……でも心配で……」
「分かった分かった……」
 あはは、心配させちゃってるのか~。可愛い後輩だこと。
「私は大丈夫だから、心配しないで? それより仕事の方はどうなの? 何か困ってることはない?」
「はい、大丈夫です。応援で入って下さった方が居るので」
「そうなの?」
「はい。加藤さんが本社の人を呼んで下さったので、その方にお店の方に行って頂いたりとか……倉庫に行って頂いたりとかして頂いてるので、大丈夫ですよ?」
「そうなんだ」
 加藤さんって本社にも顔が利くんだ……いったい何者?
「それじゃあ私はゆっくりと休めるわけね、安心したわ?」
「はい、ごゆっくりと静養なさって下さい。すいませんわざわざ……お電話をして頂いて」
「いえいえ、いいのよ別に。それじゃあ、お仕事頑張ってね?」
「はい! 任せて下さい!」
 電話を切り、ホッとひと息ついてベッドに戻る。携帯電話も忘れずに……。
 ピクぞうを見てると、私も何か描きたくなるわね。でも……そんな気力なし。あ……そういえば、まゆちゃんをモデルに描くんだっけ……イラスト。イラストじゃなくて……アートにした方が良いのかしら。そうなると私の手には負えないわね。
 確かに……クレヨンとか、色鉛筆とか、クーピーやパステルを使って描くけども……。う~ん……聞いといた方が良いかな……。
 まゆちゃんの携帯にメールを……っと。えっと、まゆちゃんをモデルに絵を描く件ですが、どんな感じに描けばいいですか? ……っと、これで送信。
 返事は案外早く来た。さすが中学生、社会人とは違うわね。えっとなになに……、いつも描いてる感じで描いてほしい……か、なるほど。でもそれはそれで難しいわね。それから……ええっと、飾りたいので、私とツーショットで描いてください……か。飾られちゃうのか~……こりゃあ困ったわね。じゃあちゃんとしたのを描かないと、申し訳ないわね。
「分かりました。ゴールデンウィークを、楽しみにしています……」っと、送信……。
 いつも描いてる感じか~……、『どうぶつフレンズ』みたいなのでいいのかな。どんなの描いてたっけ……。
 ピクぞうで自分の描いた作品を改めて確認する。あ……更新したら通知が入ってた。ふふふ、「いいね!」を頂きました。見知らぬユーザーさんよ、ありがとうございます。
「いいねも、押してくれた人が分かればいいのに。ブックマークしか分かんないのよね」
 えっと……押してくれた作品はっと……。ありゃ、温泉回のやつだ。やっぱみんな好きよね、女の子の入浴シーン。髪の毛と湯気で完璧にガードしてるけど、それがいいのかしら。このイラストだけ凄い伸びてるのよね……閲覧数が。
「あぁ……背中が……」痛くなってきた……ちょっと横になろう。
 タブレットの電源を落とし、それを床に置くとベッドの中に潜り込む。自分の体温で丁度よく温まったベッドの中……気持ちいいわね。このままちょっと眠ろうかしら。
 そのベッドの中で目を閉じて、ゆっくりと眠りに就く。しまった……薬を飲み忘れた……けど、頭の隅に置いといて、今は、おやすみなさい。






 次回「美沙子のメシ」は、「黄金週間の黄金チャーハン」です。お楽しみに。

 美沙子のメシ

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